わくわくエコ通信

EV化で自動車はもっと進化する

今回も電気自動車の技術についてご紹介します。元ネタはまた日経ビジネス オンラインです。2010年8月20日の『EVは「電車技術」で大化けできる』から。

前回まで紹介した堀教授と共同研究を行っている東京大学の藤本博志准教授の研究をご紹介します。EVは言うまでもなくモーターを駆動源として使います。藤本先生の研究は電気自動車におけるモーターの制御の研究です。

現在市販されているEVの「i-MiEV」などは、通常のクルマのエンジンをモーターに置き換えたようなつくりになっています。しかし、クルマがEVになると今までとは全く違う設計が可能になってきます。具体的には、四輪それぞれにモーターを配して、四輪を完全に独立制御することが可能になります。

ガソリン車でも「四輪独立制御」を謳っているクルマはあります。例えば、三菱自動車の『ランサーエボリューションX』には、車両運動統合制御システム「S-AWC」が採用されていて、4輪の駆動力・制動力を独立にコントロールすることが出来ます。三菱の「S-AWC」はエンジントルクとブレーキ力を4輪に最適配分し、クルマの姿勢を積極制御する技術が中核になっています。

ガソリン車の四輪独立制御では、制御は電子的に行いますが、最終的には機械的な仕組みで動かすので、制御の応答性には機械的な限界があります。これに対してEVでは、タイヤを駆動するモーターのトルク応答が1000分の1秒と、ガソリンエンジンの10分の1秒に比べて2ケタも速く応答します。つまり、それだけタイヤをより高速かつ高精度に制御できるということです。

これによって『次元の違う』走りが実現可能になります。クルマの走りの基本要素である『走る・曲がる・止まる』のレベルが格段に向上するのです。

皆さんが良くご存知のABSが、止まるときだけでなく、加速するときや曲がるときなど、あらゆる場面で働いてくれるようなイメージです。

さて・・・これがどうしてエコな技術になるのかといいますと、タイヤの性能を最大限に使い切ることが出来るようになるので、今までより、もっと細いタイヤでもクルマを動かすことが出来るようになります。

前回に紹介した堀教授のメール解説にもありましたが、クルマを加速するときに使うエネルギーはタイヤと路面でほとんど熱としてロスになってしまうそうです。

必要以上にタイヤを太くしないことで、このロスを最小限に抑えることが出来るようになるばかりでなく、タイヤ自体の空気抵抗が減る効果や軽量化も期待できます。

ポルシェのような高性能車の後ろを走ると、ぶっといタイヤが見えてカッコイイなと思ってしまう僕ですが、エコ的にはタイヤは細い方がよろしいわけです(笑)

この完全四輪独立制御の技術はエコな技術としてもすばらしいのですが、僕としては、トルク・スプリット4WDを採用して華々しく登場したR32型GT-R以上にインパクトのあるスポーツEVの登場を期待したいです(笑)