わくわくエコ通信

ポルシェをぶっちぎるEV

EVの研究・開発をしているのは自動車メーカーだけではありません。むしろi-MiEVなどが市販されるまでは大学での研究の方が知名度も高かったかもしれません。

慶応大学の清水教授を中心に開発されたエリーカという電気自動車をTVなどで見たことのある方も多いのではないでしょうか。

エリーカはは2004年に製作された8輪駆動の電気自動車で、慶應義塾大学を中心に38の企業が携わって開発されました。

僕もTVで見たのですが、元F1ドライバーの片山右京さんがエリーカに乗ってポルシェ911ターボと加速性能を競い、見事ポルシェに打ち勝ちました。

もちろん加速性能に優れているからといってクルマとして優れているとは言い切れませんが、清水教授はEVは遅くて性能が低いというイメージを払拭したかったという話です。

現在、市販されている電気自動車はガソリン車のエンジンをモーターに置き換えたようなつくりになっていますが、エリーカは全く違います。

その大きな特徴のひとつがインホイールモーターです。エリーカは各車輪の中に組み込まれたモーターで車輪を直接駆動します。

駆動力と車輪との間にロスを引き起こすものがないので機械的な損失が抑えられ、航続距離を伸ばすことが出来ます。

エリーカは通常のガソリン車を大きく凌駕する高性能を実現することを念頭に設計されました。そのため、高トルク・高出力を得るためにモーターの数を増やす必要があり、独特の8輪駆動というスタイルになったのです。

確かにポルシェターボを上回る加速性能はすばらしく、路面に動力を伝達する効率も高いのは明らかですが、寸詰まりのムカデのような見た目はカッコイイとは言えないのが残念です。

現在は市販に向けて慶応大学発のベンチャー企業シムドライブが設立され、市販されるEVのイメージ図はちゃんと4輪の普通のクルマになっていました(笑)

開発の中心になっている清水教授(シムドライブ社長)によると「特別な二次電池がなくても、航続距離300kmを実現できる」といいます。

これは市販の電気自動車の2倍に相当する航続距離です。その中核技術がインホイールモーターというわけです。

でも、インホイールモーターもいいことばかりではありません。モーターを車輪に収めるわけですからバネ下重量が増加し乗り心地が悪くなりがちです。

普通のクルマなら車輪の内側にはブレーキが収まっています。R33 GTRのブレンボのキャリパーを持ち上げてみたことがありますが、非力な私には素手で持ち上げることはできませんでした。

インホイールモーターならGTRの大型キャリパーよりはるかに重いでしょうから、そんな重いものが車輪と一体となって路面のでこぼこに追従して動くためには、よほど上手くサスペンションのチューニングをしなければならないと思います。

クルマを構成する重量物のことを考えると、ガソリン車ならエンジンが最も重いものだと思いますが、EVではモーター、バッテリーそしてインバータなどになります。

これらの重量物を床下に納め、重量配分もかなり自由に設計できるのがEVの利点です。低重心化できて走行安定性にも寄与します。

これからガソリン車とは全く違う設計のEVが市販されてくると思うとワクワクします。清水先生、どうせならカッコイイやつをお願いします(笑)